建築許可件数とは?
「建築許可件数」とは、月中に建設を始めるために取得される許可証の数を表した経済指標です。
また、建築許可件数と似た指標に、「住宅着工件数」という指標があります。住宅着工件数は、国内で着工された新設住宅の件数を表した指標です。建築許可件数と同様に、季節調整済みの年率換算ベースで発表されます。
このようにして、発表された件数と前月比の推移によって住宅投資における動向を確認することができます。
建築許可件数を詳しく説明すると、都市計画や建築基準法などで認められていない建築物を特定行政庁が許可を与えた件数のことです。特例として、「用途地域」では特別な事情がある場合に限り、建築審査会の裁決をパスして建築許可を得ることができます。
建築許可件数の統計は、公営住宅を除いた「一戸建て」と「集合住宅」に分かれます。その割合は、一戸建てが8割以上を占めています。
建築許可件数は、その時々の気候の変化や自然災害に影響されやすく、月ごとの変動が非常に大きいです。
そのため、「東北部」、「南部」、「西部」、「中西部」の4つの地域ごとに分けた上でのデータ分析や3ヶ月程度の移動平均を算出するなど、ある程度の平均化を行った上での利用が一般的ではあります。
一般的に、建築許可件数と住宅着工件数の増加は住宅ローンの金利引下げの数カ月後に発生します。建築許可件数は、建築開始前に許可申請が行われるので、住宅着工件数の先行指標となります。
しかし、建設許可は全米全体において必ずしも必要ではないため、建築許可件数は住宅件数よりも件数が少なくなる傾向があります。
FXにおける建築許可件数の影響度・チャートの値動き
住宅関係の経済指標は、一戸あたりの単価が非常に高いので経済動向に大きな影響を与えます。
建築許可件数は、住宅関連の経済指標の中でも、「住宅着工件数」、「新築住宅販売件数」、「中古住宅販売件数」に先立って発表される経済指標です。住宅関連の中でも建築許可件数は、景気動向に敏感なので先行指標としても非常に注目されています。
また、住宅が建設されることによって「波及効果」も期待できるでしょう。たとえば、波及効果には、住宅の建設にともなう家具や電気製品などの耐久消費財への支出などがあります。
このように、建築許可件数は住宅が建設されるたびに耐久消費財への支出が期待できるので波及効果が大きく、家庭や個人の消費動向にも大きく関わりのある経済指標です。そのため、建築許可件数は住宅市場にとって重要な指標となることもあります。
さらに、アメリカでは様々な不動産ローンが充実していることから、日本の住宅以上に住宅価格や販売動向が消費全般へ幅広く影響を与えるので、建築許可件数などの建築関係の経済指標は世界中で注目されています。
建築許可件数は、計測期間の翌月第3週(米国夏時間:日本時間午後9時半、冬時間:日本時間午後10時半)に発表されます。
建築許可件数が増加すると、好景気だと一般的には言われています。また、好景気はドルが買われやすくなります。
その建築許可件数が予想よりも高い数値になったときは米ドルにとって買い材料とされますが、予想数値よりも低い数値になったときは売り材料と解釈されます。
まとめ
住宅関連の経済指標の1つである建築許可件数は、大きな影響を景気動向に与えるため、先行指標として世界中のFXトレーダーたちから非常に注目されています。
建築許可件数が、予想よりも高い数値になると米ドルは買われやすく、予想数値よりも低い数値にると売られやすくなるとトレーダーは解釈します。
そのため、トレードをする上で建築許可件数はしっかりとチェックしていくことが大切だと言えるでしょう。