これまで、ローソク足に関する記事を書いてきましたが、今回は実践ですぐに使える、ローソク足の中でもひげを利用したトレード手法を深堀りしていきたいと思います。
こちらの記事は上級者の方向けの実践編となっております。上級者の方のために、それぞれの記事を同サイトであげているのでそちらを参考にしてください。
●上級者向け 「FX上級者こそ極めるべきプライスアクションまとめ!」
目次
ひげとは?
チャートのローソク足をみてみると、以下の図のような上下に伸びた線があるのが分かります。この上下に伸びた線のことをひげといいます。
このひげだけでも、トレーダー心理を読み取ることができます。トレーダー心理を理解するとさらに勝ちやすくなります。
ひげを利用した手法
ひげには、上ひげが長いパターンと下ひげが長いパターンがあります。それぞれのパターンで、どんな戦略を練ればいいのか、ひげを利用した手法を紹介していきます。
上ひげが長く伸びているパターン
上ひげの長いローソク足は、ショート勢の抵抗が強い上影陽線、上影陰線です。
このような上ひげの長いローソク足は、ひげの長さが長ければ長いほどショート勢の抵抗が強いと推測できるので以下のようなトレードができます。
- 上ひげでつけた高値を抜かない限りはショート目線
- 上ひげでつけた高値を抜いたらそこからロング目線
では、具体的にどういうことか画像付きで詳しく説明していきます。
上ひげでつけた高値を抜かない限りはショート目線
長い上ひげをつけたということは、その高値でかなりのショート勢が必死に抵抗していることが分かります。
ということは、ショート勢が抵抗しているその高値を抜かない限りはショート目線という戦略を練ることができます。
よって、高値で長い上ひげをつけた後に反発して、レートが下がり、一時的に上がる動きがあった時は、この高値の手前でショートエントリーしましょう。
上ひげでつけた高値を抜いたらそこからロング目線
かなりのショート勢が必死に抵抗していることがわかる高値に、長い上ひげが伸びた後、その高値を抜きに行く場合は、その必死に抵抗していたショート勢以上のロング勢がいたということを示しています。
よって、そのショート勢の抵抗が強い高値を割り込んでしまったら、そこからはロング目線で戦略を練ることができます。
下ひげが長く伸びているパターン
下ひげの長いローソク足は、ロング勢の抵抗が強い下影陽線、下影陰線です。
このような下ひげの長いローソク足は、ひげの長さが長ければ長いほどロング勢の抵抗が強いと推測できるので以下のようなトレードができます。
- 下ひげでつけた安値を割り込まない限りはロング目線
- 下ひげでつけた安値を割り込んだらそこからショート目線
では、具体的にどういうことか画像付きで詳しく解説していきます。
下ひげでつけた安値を割り込まない限りはロング目線
長い下ひげをつけたということは、その安値でかなりのロング勢が必死に抵抗していることがわかります。ということは、ロング勢が抵抗しているその安値を割り込まない限りはロング目線という戦略を練ることができます。
よって、安値で長い下ひげをつけた後に反発して、レートが上がり、一時的に下がる動きがあった時は、この安値の手前でロングエントリーしましょう。
下ひげでつけた安値を割り込んだらそこからショート目線
かなりのロング勢が必死に抵抗していることがわかる安値に、長い下ひげが伸びた後、その安値を割り込んでくる場合は、その必死に抵抗していたロング勢以上のショート勢がいたということになります。
よって、そのロング勢の抵抗が強い安値を割り込んでしまったら、そこからはショート目線で戦略を練ることができます。
実際のチャートで検証【2020年12月8日 ユーロ円】
以下の図は2020年12月8日のユーロ円の5分足です。
このユーロ円の場合は、どのように解釈するのか、解説すると以下の通りになります。
- 前日の安値である126.25で高値が何度も抑えられているのがわかります。23時45分~0時にかけて再び高値を抜きにいく動きをしましたが、抜くことができず、長い上ひげと長い下ひげをつけました。
- 長い上ひげと長い下ひげをつけたということは、ロング勢とショート勢が拮抗しているということです。この状態が何度も発生するということは、この高値が強い抵抗帯であることがわかります。
- これは、相場の転換を表すプライスアクションでもあるので、目線はショートとなります。
ひげが長く、実体部分がほとんどないローソク足は、ロング勢とショート勢が拮抗している状態を表すということは、「FX上級者こそ極めるべきプライスアクションまとめ!」にあげているピンバー(十字線)で紹介しました。
なので、ここからはショート目線でエントリータイミングを狙っていくと良いでしょう。
実際のチャートで検証【2020年12月10日 ドル円】
以下の図は2020年12月10日のドル円の5分足です。
このドル円は、前述した上ひげが長く伸びているパターンの一例です。この場合は、どのように解釈するのか、解説すると以下の通りになります。
- ドル円は、21時に高値である104.57を抜きにいく動きをしましたが、抜くことができず、長い上ひげをつけました。この高値が意識され、ショート勢が必死に抵抗していることがわかります。
- そして、一度は下がったものの、またロング勢が21時40分、45分ごろにリベンジをしました。しかし、ショート勢の必死な抵抗によって、1回目より長い上ひげを2本もつけました。
- このことから、ロング勢とショート勢が戦って、ショート勢が勝利したことがわかります。なので、2本目の上ひげをつけた21時45分でエントリーし、結果として、24pipsの利益がでました。
前述したとおり、高値を抜かない場合では、「高値で長い上ひげをつけた後に反発して、レートが下がり、一時的に上がる動きがあった時は、この高値の手前でショートエントリーする」というのがルールです。
この場合では、高値で長い上ひげをつけた後に反発して、レートが下がり、一時的に上がりましたが、ロング勢よりもかなりのショート勢が必死に抵抗したため、ロング勢のパワーが途中で力尽きてしまいました。
上ひげが長ければ長いほどショート勢の抵抗が強く、上ひげが多ければ多いほどショート勢の優勢となります。このドル円は、どちらの要素も兼ね備えているので、結果的に下がりました。
まとめ
実際のチャートを用いて、ひげを利用した手法を紹介しました。
この手法を完全にマスターし、実践で利用できるようになれば、トレードの幅も広がり、さらに勝ちやすくなること間違いなしです!
ローソク足のひげの特徴をよく掴んで、有効なトレードを行えるようにしましょう。